iot・m2mより先に考えたい法人用モバイルデバイスの導入に際しての懸念

iot・m2mへの注目で格安simにも注目が集まっていますが、多くの企業にとってまず考えるのは、社員用の通信手段として活用する方法ではないでしょうか。
大手キャリアと契約するよりも大幅にコストダウンができるため、社員一人一人にモバイルデバイスを配布することが容易になります。

ただし、ビジネスでスマートフォンを使用する場合、社員がそれをどこまで使用できるのかしっかり想定して範囲を考えなければなりません。社員が無制限に自由に使用できるということになると、どんなサイトやアプリにアクセスするか企業で把握できなくなるため、私的な用途での使用や情報漏洩など、セキュリティの面で不安が出てきます。

しかし、セキュリティを重視するあまり、アクセスするサイトや使用する機能を狭い範囲に限定すると、スマートフォンの利便性が犠牲になるのも否定できません。
IDやパスワードを頻繁に変更して何度も入力する仕様にするのも、実際に使う社員とってみれば、使いやすさを損なっていると捉えられるでしょう。

また、社内のパソコンとの連携をどうするかということも事前に考慮しておかなければなりません。
PC用に開発された既存のシステムはスマートフォンでの表示を想定していないこともあるため、スマートフォンで表示した時にうまく表示できないということも起こりえます。

それに、いまだにガラケーしか使ったことがないという社員もいるでしょう。
法人用のスマートフォンを導入するのであれば、そうした社員に向けても導入の趣旨とそのメリットをしっかり説明しておく必要があります。

実際に導入した後も、運用や管理のなどの面でトラブルが起こることがあります。
すべてのデバイスを一元的に管理できるツールを使用するのが一般的ですが、初めてスマートフォンを導入する企業の場合、それを誰が行うのかなど決めるべきことが多数あります。
自社内ですべて完結できない場合、アウトソーシングを利用することも検討する必要があるでしょう。